【化粧品中級者必見】薬剤師がビタミンC誘導体を構造的に分析:エチルアスコルビン酸とアスコルビン酸グルコシド

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薬剤師の雑貨解説

【化粧品中級者必見】薬剤師がビタミンC誘導体を構造的に分析:エチルアスコルビン酸とアスコルビン酸グルコシド

こんにちは。やっくんです。

 

昨今のビタミンCブームはすごいですね……

化粧品でも食品でもビタミンCを取ることを推奨されます。

 

例えば、化粧品では、

メラノCC、アンレーベル、ドクターシーラボ、オバジなど。

どれも大人気な化粧品ブランドです。

特にメラノCCの勢いは止まらないですね笑

 

私の本業は化粧品営業なので、Youtubeや雑誌をよく見ますが、

メラノCCの美容液はどこに行っても取り上げられていますね!

 

こちらの記事でメラノCCの2つの美容液について記載しています!

合わせてご覧いただけますと嬉しいです!

 

私は、薬学部で且つ、専門は有機化合物の合成でしたので、

構造的に成分を見ることに慣れています!

 

ビタミンC誘導体も例にもれず、構造的に見てみると……

作用が早そうなビミンC誘導体」と「作用が遅そうなビタミンC誘導体」がありました。

今回はそれについて説明します。

ビタミンCの効果

そもそもビタミンCの効果とは何でしょうか?

それは大まかに以下のような効果です。

【効果一覧】

・ピーリング作用
・抗炎症作用
・抗酸化作用
・角化の正常化
・コラーゲン生成促進
・ターンオーバー促進
・メラニン生成抑制
・還元作用

結構ありますね。

 

これらが組み合わさり、シミ・毛穴・そばかす・ざらつき・ニキビ跡

などに効果があると言われています。

 

ビタミンCはとりあえずコスメに入れとくのが無難そうです。

この中でも、還元作用とコラーゲンの生成は特徴的です。

 

還元作用は肌で言えば、シミの色素を直接薄くすることができます。

この直接薄くすることができるのは

化粧品成分ではビタミンCとハイドロキノンだけです。

 

また、コラーゲン産生で言えば、

ビタミンCがコラーゲンを作るための司令塔(補酵素)となります。

ただビタミンCが肌の真皮層(表皮より下)まで到達するとは思えません。

 

シワの改善はナイアシンアミド・レチノールが厚生労働省の承認を取っているので、

こちらの2成分が無難でしょう。

 

ビタミンCの特徴

ビタミンCはすごく不安定な物質ということを

頭に入れておいてほしいです。

 

水に溶かすとすぐに活性を失ってしまいます。

そのため、ビタミンCをそのまま化粧品に入れることは非常に困難です。

ビタミンCをそのままを入れる技術があるのが、
オバジとメラノCCです。(話題になりましたね。)

 

普通であればビタミンCに誘導体というものを付けて安定化させます。

ビタミンCに誘導体を付けて安定化したものをビタミンC誘導体と言います。

 

このビタミンC誘導体は実はかなり種類があります。

その中でも、今回は「3-o-エチルアスコルビン酸」と「アスコルビン酸-2-グルコシド」について

解説します。

効きそうなビタミンC誘導体と効かなそうなビタミンC誘導体

ズバリ結論から言うと。

効きそうなビタミンC誘導体:3-o-エチルアスコルビン酸

効かなそうなビタミンC誘導体:アスコルビン酸-2-グルコシド

 

ちなみに、アスコルビン酸=ビタミンCです。

なんでかということをイメージで説明します。

 

ビタミンCには利き手があった??

実はビタミンCには人間と同じように利き手と利き手じゃないほうがあります!!

意味が分からないと思うので、詳しく解説していきます。

 

こちらのビタミンCの構造を見てください。

【ビタミンCの構造式】

これをじっくり観察してくださいというわけではなく・・・

○を付けたところに、「2位」「3位」と書いてあります。そこを見てください。

 

ビタミンCの中で、

利き手のことを2位と言います

利き手じゃない方を3位と言います。

 

右利きの人は右手が2位、左手が3位だと思ってください。

 

ここで質問します。

右利きの方はどっちかの腕を骨折するなら、左手がいいですよね?

それは利き手を残しておくと生活が便利だからだと思います。

 

ビタミンCも2位を残しておいた方が活性が高くなります。

もちろんどっちも残しておいた方が働きやすくなるのは当たり前です。

そのため、誘導体がついていないビタミンCは効果が高いです。

 

先ほど、

効きそうなビタミンC誘導体:3-o-エチルアスコルビン酸

効きにくそうなビタミンC誘導体:アスコルビン酸-2-グルコシド

と書きました。

 

3-o-エチルアスコルビン酸は……

誘導体の名前:エチル
誘導体が付いている場所:3位

 

3-o-エチルアスコルビン酸は2位がフリーです。

つまり、利き手がフリーなのです。

効きそうじゃないですか??

 

逆にアスコルビン酸-2-グルコシドは……

誘導体の名前:グルコシド
誘導体が付いている場所:2位

 

アスコルビン酸-2-グルコシドは3位がフリーです。

つまり、利き手じゃないほうがフリーです。

働きにくそうですよね。

 

構造的に見ると以上のことがわかりました。

では、実際どうなのか??

実際に2つの誘導体の効果は??

3-o-エチルアスコルビン酸

こちらに関しては、やはり利き手がフリーなので、

肌の上ですぐに効き目を出してくれるとのことです。

普通のビタミンC誘導体であれば、

誘導体を酵素で切らないと肌で効きにくいです。

 

しかし、3-o-エチルアスコルビン酸は誘導体を

酵素で切らなくても活性が認められると考えられます。

 

高い有用性は論文でも解説されており、

色素沈着試験においてリン酸マグネシウムアスコルビン酸よりも

高い有用性が示唆されています。※1

※1 畑尾 正人, 他(2012)「UVAによる持続型即時黒化に注目した美白アプローチ」機能性化粧品の開発Ⅳ,15-23.

入っている化粧品:メラノCC、透明美肌

 

アスコルビン酸-2-グルコシド

こちらは利き手じゃないほうがフリーなので、

誘導体を切らないと効果が出にくいみたいです。

そのため、遅延型ビタミンC誘導体ともいえるかと思います。

しかし、その分安定性は高いとのことです。

入っている化粧品:ケシミン

 

まとめ

今回は「効きそうなビタミンC誘導体」と

「効きにくそうなビタミンC誘導体」についてまとめました。

 

結果としては、即効で効くのか遅延型なのかという違いです。

しかし、実際に自分の肌に使ってみて、

効果実感のわくものを使っていくのがベストですね!

 

ではまた!

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